伍流の思考

- ごりゅうのしこう -

 2030年の予想と目指すべき道3

つづき。

2030年の予想と目指すべき道1 - 伍流の思考

2030年の予想と目指すべき道2 - 伍流の思考



高齢化が今より進む2030年。AIやロボットが本格化し、格差が更に広がり社会は混沌とする。という予想をする人はけっこう多い。僕もそれを懸念している。だからこそ、考え方をかえていく必要があると思う。


全体としては『A:技術はドンドンと進歩する』、B:資本主義社会ではそれを資本家が独占しがちではあるがその流れを少しかえて『C:ロボット税』と『D:資産税』を財源に多くに分配される仕組み『F:ベーシックインカム』を導入すべきだという話をしようと思う。


A:技術はドンドンと進歩する。

昔は稲作農家には多くの人手を必要とした。今はトラクターや脱穀機など多くを機械に頼る。1人あたりの生産性は著しく向上した。その技術進歩は前進こそすれ後退することはない。石油やレアメタルの高騰などの影響は受けるが長いスパンで見れば、人間が1人生きていくのに必要な食糧・衣類などを生産する為に必要な人間の数はドンドンと減っていっている。

仮に現代の社会で、戦争が終わった頃、1950年頃の生活を国民全体が許容するとしたら、それほど多くのモノを生産する必要もないし、サービスを提供する必要もないし、飛行機もいらないし、食べていくだけなら国民1人あたり2時間も働けば十分ではないかと思う。

それだけ昔より生産性は上がっているはず。ただ今はそういう昔の暮らしには戻れない。ただこの先、もっと高い医療や技術を求めつつも、実のところ国民1人あたり5時間も働けばそこそこの生活は出来るのではないかと僕は思っている。それが実現しないのは資本主義によるものかなっていうのを次に説明する。


B:資本主義による富の偏り。

今まで100人の労働者が月収20万円で働き、衣料品あるいはパソコンなどのモノを作っていたとしよう。それが技術革新で労働者が20人で十分になった。機械のメンテンナンスなどで優秀な人がいるので月収は平均30万円に増やしたとしても人件費としては月2000万円から600万円に減る。現代の社会においてはそうやって減った分は競争により商品の値段が下がるなどしているが、それでも資本家の懐に入る分は多くなる。

もう1つの問題は、生まれた時からお金持ちの人。億万長者による運用と相続によって、お金持ち自体の数が増えていっている点だと思う。それはD資産税の話につなげたい。


C:ロボット税の導入(2023年頃から段階的に)。

Bで技術革新によって労働者が少なくて済む。という話をした。これから2030年にむけてAIやロボットの開発が進み、その流れは加速するだろうと予想されている。そうなった時にその恩恵を大きく受けるのは資本家や高度な技術を持った人が中心となる。僕はそれの半分くらを広く国民に再配分すべきだと考えている。

イメージとしては『1人の高齢者を支える現役世代の人数がドンドンと減っていく』という暗いイメージから、『その高齢者を現役世代とロボットが力を合わせて支えていく』という明かるイメージにシフトする感じ。


今まで100人の労働者が月収30万円で働いていたのが、ロボットの導入により10人でよくなった。優秀な人のみ残し月収は40万円に上げあのと90人はクビ。その浮いたお金を経営者や投資家が分配する・・・・これでは1人の高齢者を少しの労働者で支えるという今の懸念から抜け出せない。なので機械化などに税金をかける。上のイメージに近づける為に。

特にロボットと機械の境目が難しいのでラインを決めるのは簡単ではないし、他国との競争があるのでそこに日本だけ課税して国際競争力が維持できるのか??といった問題もあるだろうと思う。

ただし今のところロボット技術は日本が先行していると思うので、前半は開発を後押しする形で規制緩和をしつつ、徐々に導入するといいように思う。また日本は世界でも珍しく内需であるていど成り立つ国だろうと思うので、国内で決めても何とかなると思う。


D:資産税の導入。

昔は資本主義か?社会主義か?みたいな議論があり、資本主義は見事に勝利した。ただその資本主義も比較的に良かったから勝っただけで、副作用は当然のようにあるし、それが大きくなってきている。それが格差の拡大。そこには富の再分配が必要だと思う。

ただそれは簡単ではない。お金持ちや企業はあるていど国を簡単に移動できる。世界が企業や金持ちの誘致合戦をしている以上は日本も否応なくそれに巻き込まれる。

とはいえ日本は治安が良く住みやすい国だ。少しくらい税金が高くても日本に留まりたいって人は少なくないだろうし、日本の資産に少しくら税金をかけ富を再分配した方が、結果的に貧乏人が減って社会が暗くならず治安も悪化せずお金持ちにとっても悪い社会じゃないと思う。

東南アジアの格差社会は貧乏人を虐げて金持ちが存在するという側面があるが、日本の場合はそれほど顕著ではない。家事をメイドにしてもらっている家庭は少ないし、洗濯は全自動洗濯機といった技術に頼っている。

なので僕は資産税を導入したらいいと思う。例えば資産の年0.3%〜0.5%とか。普通に運用していたら減らない程度。それによってお金を溜め込んでいる企業が投資しようかって気持ちを少し後押しできればいい。

また現金の評価が100%だとしたら株式だと90%といった感じに割り引いていい。ただし資産は登録し年平均で計算するようにしないと、年末での評価にしてしまうと年末に株を大量に買って、現金をなくし、その後に売るみたいなことをされるので注意が必要だと思う。個人的には国民すべての資産を時価評価と共に登録するようにして、相続税などの計算も専門家がいなくても手間をかけずに納税できるようにした方がいいと思う。


F:ベーシックインカムの導入。

AIやロボット技術の発展により多くが失業する社会がくるかもしれない。少ない仕事を労働者が取り合えば賃金は低く留まる。そんな格差社会は世界を暗くする。それならCやDを財源(それだけでは足りないかもしれないが)にして、ベーシックインカムを導入して欲しい。国民が技術発展の恩恵をうけ、あるていど働いて楽しんだ方がいい。文化も発展すると僕は思う。