伍流の思考

- ごりゅうのしこう -

 2030年の予想と目指すべき道2

1では労働者にとってしばらく追い風が吹くが、それもロボットなどの登場で長くは続かないのではないか??って話をした。

2030年の予想と目指すべき道1 - 伍流の思考


つづいては ◆2:サービスが受けられているか?

例えば労働者にとって完全雇用が実現し賃金が上がったとしても、その結果として労働者が必要なところに人がいかず必要なサービスがちゃんと受けられなくなるといったことはありえる。なので雇用問題とはまた別だと僕は考えています。


特に現在懸念されているのが、保育、そして高齢化社会を背景とした介護&医療のサービスが不足していくという問題です。その他に農業や工場などの人手不足を問題視する人もいるでしょう。


A:保育。保育士の低賃金などの問題はあるものの近年注目され状況の改善は進んでいくものと思う。待機児童などは都会を中心とした問題で、これから更に共働きの家庭が増えるとしても結婚する人、子供を作る人自体が減ってきているので、2030年時点ではあまり問題になっていないと思う。


B:医療。今でも医療従事者は不足している。医師不足。薬剤師不足。など言われている。その割に医学部を倍増なんて計画はないらしい。高齢者が今よりずっと増える2030年。医療をちゃんと受けられない人がもっと出てきている可能性がある。個人的には薬剤師はAIに代替されればいいと思っているが、医師の場合はそう簡単にAIやロボットに代替されないと思うので深刻だと思う。

高齢者の医療を制限せざるを得ない状況に追い込まれると思う。できれば血液検査で遺伝子や様々な病気や対処法が医師を介さずに出来るようになればいいと思うのだが、医療業界はその権益を守ろうとするだろうから結果として医療難民が出ると思う。

高度医療は今より更に高度になり『貧富の差によって医療に差がでてはいけない』という建前は今よりハッキリと崩壊する。金持ちは長生きするのは普通で、貧乏な人でも基本的な医療がちゃんと受けられるようにってことが議論されるだろうと思う。


C:介護。これも介護難民が多くでると予想されている。医療と違うのはこちらは高いスキルを要求されるワケではないという点。これは介護にスキルが関係ないといっているのではなく高いスキルの人に看てもらいたいが、そうでない人でもある程度は出来るという話。

人手不足から2019年頃から若い人を中心に賃金の安い介護職から転職する人が続出すると思う。なぜなら介護職になりたくてなった人は別にして、不況により介護職にいかざるをえなくなった人達が賃金の高い職に移りやすくなるから。

2030年までの前半ではロボット技術にはまだ期待できない。介護の担い手として期待されるのは東南アジアの介護人材だろうと思う。個人的には彼らに日本語を覚えてもらって日本に来てもらうより、東南アジアに老人ホームを作って通訳を入れてコミュニティーを作った方が合理的だとは思うが『姥捨て山』といった感情的な批判にさらされるのでそういう流れは生まれにくく、最終的には東南アジアで伸び伸びした老後を送るより劣悪な介護状況に追い込まれる人が増えるろうと思う。

また賃金上昇が顕著になったとしても介護職の賃金は社会保険財政に直接大きな影響を与えるので簡単には上がらないだろう。残念ながら今のうちに各自が備えておいた方が良いと思う。


D:工場。日本は高付加価値なものを生産することで生き残るべきだと思う。単純労働者にたよるような仕事はロボットに代替されるだろうし、そういったものは人件費の安い海外にいく方がいいと思う。もっとも2030年に今の発展途上国がどこまで途上なのかは分からない。優秀な人は日本人より稼ぐようになっているだろう。ただ東南アジアに住んでいる僕から見れば『貧乏子沢山でなりたく格差社会』というのは経済発展した後にも温存されるように思う。工業製品はロボットが作ったり輸入することでまったく問題ないと思う。


E:農業。大規模化・自動化がもっと進んでも良い分野。現在の農業団体が旧態依然としているのは中途半端な兼業農家が多く、それらに補助金を配る形で票田となっていることが大きいと僕は思う。2030年には高齢の兼業農家が引退&相続が進み、次の世代がどこまでそういった補助金にしがみつくのかと考えると、昔の人ほどは執着しないものと思うし、それによって投票行動を決めるということもないと思う。

そんなワケで農協などの組織力は弱体化し、株式会社の参入などが加速するものと思う。


F:エネルギー。人材とは直接関係ないが、ついでに書いておく。電力需要は年1兆kwh。人口減少により需要が増えることは考えにくい。自然エネルギーの比率は少しずつ増えるが普及がどれくらい進むかは最終的にはその発電効率よりも『蓄電池の性能(全個体電池など)』が大きく影響すると思う。原発は少しずつ減らすが一番無難。

ガソリン車からEVに置き換わる時期は、今の僕の推測では2024年頃から価格差が多くの人の許容範囲となり、買い替えが進む。それも蓄電池の開発と、石油価格次第。不確定要素だが、2030年ともなると、ピークオイル問題とかメタンハイドレートなどの実用化が進んでいる可能性もある。正直なところイメージするのも難しい。


次にでは、日本の目指すべき方向性。について話をしたいと思う。