伍流の思考

- ごりゅうのしこう -

次の産業革命でも新たな雇用が生まれるか?

蒸気機関が発明されたり自動車の発明など今まで産業革命によって多くの雇用が奪われてきた。だが産業革命によって新たな雇用も生まれてきた。

馬車に使われる馬を世話する人が自動車工場で働くといった具合だ。


今後おこると言われるAIやロボットによる産業革命。専門家の中には、上の例を持ち出し「次の産業革命でも新たな仕事が生まれ新たな雇用が生まれるだろう」と言う人が少なくない。

僕はその考えに否定的だ。


*IT革命で生まれた仕事


なぜなら、新しい産業革命ほど、新たに生まれる仕事に求められるスキル水準は高くなっているからだ。それを説明する為にAIロボの前におきた「IT革命」を考えてみたい。

ITによって様々な商売が効率化された。スーパーマーケットは市場や卸売業者を通さず漁師や工場から直接仕入れたりできる。個人もネット通販で一番安いお店から買うことができるようになった。その「中抜き」によって多くの雇用が奪われたし、価格が下がることで利幅が薄くなったりということも出てきた。


象徴的な事例はAmazonだろう。この企業がシェアを増やすごとに街の書店は減っていった。もちろん今まで売れなかったものが売れるようになったという側面もあるが、売れる物というのが以前より偏るようになったとも思う。

ネットで比較され知名度やレビューが良く多い商品がバカバカと売れ、検索でトップに来ないような商品は知られすらしないという過酷なもの。僕はそれ自体は自然なことだと思っているが、難しいのはIT革命によって仕事を得た人というのは、起業家・プログラマーなど能力の高い人が中心だということ。

ブロガーやユーチューバーなど驚くほどトップに富が集中する世界。


では次にロボットやAIを考えてみる。

 

 

*ロボット・AIで生まれる仕事は人間ができるか?

 

既に株式トレーダーなどAIに置き換わっている仕事もある。ロボットに置き換わっている仕事もある。こういう技術が進んだ時に多くの雇用が奪われると僕も含め多くの人が信じてる。では生まれる仕事は?

・ロボットやAIのエンジニア・・・高度。・起業家・・・ある意味で高度。

 

ではそれ以外に新たなビジネスが生まれた場合はどうだろうか。

例えば「空を飛ぶ自動車」とか「遊びあるいはお金の浪費を教えるビジネス」とか「寿命を伸ばす薬」・・・いろんな今後発明されるかもしれないものを考えてみても、高度であったり一部のクリエイティビティのある人が中心になるように思えてならない。

何より新しいビジネスを起こす人はそのビジネスを成立させる為に人をそれほど必要としないだろうと思う。IT系のビジネスで成功すると巨万の富を築ける。AppleもGoogleもAmazonも時価総額で旧来の企業を一気に抜き去った。でも例えばトヨタ自動車のようなビジネスに比べれば関連で生み出す雇用はたぶん2桁くらい少ない。

要は人の力ではなくコンピューターの力を借りる部分が大きい。

と僕は考えている。

そしてAIやロボットなどなど、技術がより高度になり幅が広がることで、新しく企業する人が雇用に頼る割合は減り続けていくだろうと思う。


そういう訳で僕は近未来の雇用についてAIやロボットなどは普通の労働者にとってネガティブなインパクトを与えると思う。今はまだ途上国などが発展しドンドンと購買力が伸びているが、そうやって増える需要と、農作物や工業製品がより合理化され増える生産性、それが生み出す供給、、そのバランスがいずれ崩れてくると思う。


これはあくまで僕が2018年現在で考える2040年くらいの予測。

ロボットが代替してくれることによって人間がその分だけ遊んで暮らせればいいのだが、今の資本主義のままだと起業家や資本家などにその果実がもたらされ、労働者は少ない仕事を奪い合うということがおきかねない。

なので、今のうちからベーシックインカムやロボット税などを議論していった方がいいと思う。ロボット税に関しては効率化において当初は補助金を出してもいいくらいだとは思うが、それによって効率化され奪う雇用を考えると、少しずつ課税する方がいいと思う。