伍流の思考

- ごりゅうのしこう -

海外生活と国民健康保険

僕はフィリピン在住でたまに近隣諸国を旅したり日本に帰省するライフスタイル。いちおう年の5/4くらいはフィリピンにいると思う。『海外在住者にとって悩ましいのが医療』・・・今回は『海外在住者と国民健康保険(国保)』について考察してみたいと思う。


目次としては4つ。

◆国保は日本在住者のみ(住民税と年金がセット)

◆国保は海外でも使えるが・・・面倒。

◆国保がない時は20割負担。

◆国保は税金。所得割があるのは不合理。

◆海外在住者の国保利用の不公平(活用)

※なお僕の認識なので事実関係は各自で確認してほしい。

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◆国保は日本在住者のみ(住民税と年金がセット)


『国民健康保険(以下国保)』は日本在住者のみが入れる。住民票があればOKだが転出届を出していれば住民税も年金も国保もまとめて離脱することになる。海外では別の医療保険に入ったりすること多く『海外との行き来をする人は2重で入るか?』の選択をすることとなる。

僕のように『国民年金は出来れば自分で運用したい』という人も国保に入るなら年金にも加入しておく必要がある。

 

◆国保は海外でも使えるが・・・面倒。

 

国保は海外でも使えるように法改正されたものの割に手間がかかり一般市民がそれをクリアするのは少し大変だと思う。まず現地の医師にも『どういった治療をしたか』を書いてもらう必要があるだろうし、翻訳も必要となる。英語ならまだしもタイ語や中国語など翻訳者を見つけるのは手間だろう。

また日本の医療制度が基準になるので、医療費の安い国では大きな病気の時は活用するのもいいが通常の病気の場合は『手間に見合うとは思えない』・・・額が少ない場合は『その支払った額の3割』といった具合になるから。

逆にアメリカのように医療費の高い国の場合は日本の医療費が基準になるので多くは賄えない可能性が高い。別途保険に入る必要がありそう。


それら一般市民には活用が難しく、保険を扱っている企業が法人向けに『海外保険と健康保険の申請などを組み合わせたサービス』を提供している。
 
支給基準については『合理的』だと思うが、英語(できれば中国語なども)については国保側が対応し『翻訳の添付(翻訳者の署名なども含む)は不要にすべき』だと思う。



◆国保がない時は20割負担。


僕は国保から抜けて4年くらいたつ。フィリピンでも病院にはいくのだが自分で病気について調べあれこれ聞くには『日本人の医師でないと難しい』と思い。一時帰国の際に病院に行こうと考えた。

僕は『10割負担はやむを得ない』と考えていたが病院の受付で聞いてビックリ。国保に入っていない患者は『自由診療となり当病院は200%です』と言われた。つまり国保(3割負担)で300円払う人が、1000円ではなく2000円を払う必要があるということ。もちろん毎月の保険料を払っていないのだから1000円は覚悟できるが、2000円となると7倍弱の支払いとなる・・・ましてや検査やら手術を考えると恐ろしい。


◆国保は税金。所得割があるのは不合理。


さて話はすこしズレて国保の本質的な話をしたい。国保は国民健康保険とは言うものの実のところ『純粋な保険ではない』・・・・保険は病気になりやすい人の方が掛け金が高くなる。例えば医療保険などは年寄りの方が高い。それが保険というもの。

だが国保は『税金の側面がある』・・・現に国保税という言い方をする。実体は『保険+税金』であり、国民に広く健康になってもらう為に不公平がある。例えば専業主婦など扶養に入っていると保険料はほとんど免除されているような状態になる。独身2人と夫婦(2人)は数の上では2人なので年令やら他の条件が同じなら合計は同じにならないといけない(保険なら)

そのあたり国策というものなので一概に悪いとは言わないが、僕はシンプルにしてほしいと思う。特に『国保に所得割があるのは不合理』だと考えている。お金持ちが病気になりやすいワケでもないし『富の再配分などは所得税でするのが筋』だと思う。



 ◆海外在住者の国保利用の不公平

さきに述べたように国保は『純粋な保険ではない』・・・保険なら『病気になってから加入することは出来ない』のだが、国保はそれが裏技的に出来てしまう。そこは制度として難しい部分なのだが、例えば国保から離脱して海外で生活をしている人がガンや腎臓病になった。『それなら日本に戻り国保で療養しよう』という事になる場合は『健康なのに毎月保険料を払っている日本在住の人』から見れば不公平な話だろう。

もちろん海外生活をしていて現地での保険や税金などの支払いと2重になるのも痛い話だし、海外では国保があっても実際には活用できないので、国保に入り続けていてお金を払い続けていてもメリットの方が少ない。

悩ましいことに海外在住者が一時帰国した場合に『保険がなく病院に行きづらくなっている』のが現状だと思う。僕は海外在住する日本人も多い現代においては合理的な新たな国保制度を作るべきだと考えている。

次回(国保改革私案)につづく。