伍流の思考

- ごりゅうのしこう -

マクドナルドへの逆風1

今回はマクドナルドを低迷について分析しようと思う。

これについては様々な人が『あーでもないこーでもない』と議論をしている。実はこういった意見がでる時に必要なことがあると僕は思っていて『いまどんな空気になっているか?』です。人は空気に支配されがちで時にそれが業績や分析結果に悪影響を与えると思うからです。

では先に僕の結論からいうと・・・
『結果的にネガティブキャンペーンに襲われた』

(一人勝ちの原田体制、そして合理的な経営が反感を買ってしまった)
もちろん食の安全なんかへの問題、コンビニや他のファーストフードとの競争もあるとは思いますが、それがメインだと僕は思っています。



まず企業のイメージ戦略の話をしたいと思います。味覚はそれのみが独立しているのではなく見た目や臭いあるいは空腹具合や期待感で『味の評価はかわる』と考えられています。そしてメガファーストフードチェーンがイメージ戦略に力を入れるのは有効です。スケールメリットを活かしてコストダウンなどをはかりイメージ戦略で売上を伸ばす。いたって合理的です。

ただ逆にいえば味や店への評価が『イメージによって嵩上げされている』というのも事実なのです。これは嫌味でなくそういうものだと思います。


では今回どんなことがあったのでしょう。中国産のチキンの問題や異物混入などなど、
それらマクドナルドにいろんな問題があったことは事実としても、それに対して『問題探しをする人達が大勢いたこと』が結果的に『ネガティブキャンペーンになった』と 僕は見ています。マイナスイメージはもちろん売上に影響を与えます。(利幅が少ない商売では売上以上に利益に影響します)


どうしてネガティブキャンペーンになったか。それは『なんで低迷しているんだろう?』と聞かれれば『味がイマイチな割に高い』とか『メニューが見にくい』とか人はネガティブな答えしか探しません。

もしもですよ。『低迷』とかいった先入観を外して『マクドナルドはよく行きますか?』って聞かれたら、好意的な意見をいう人もいると思います。

個人的にはマクドナルドが流行っていた時と今とそんなに変化がないと思います。あいかわらずそこそこの味。でもとりあえずあれば便利です。ただコンビニでコーヒーが飲めたりといった選択肢が増えた分だけは希少性がなくなってきてると感じますが、それはマクドナルドだけが直面する問題ではないように思います。

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さて分析をする人達の中でこんな人達がいます。

『顧客思考じゃないとか』『大胆な改革が必要だ』『迷走している』とか・・・・簡単に言いますが、じゃあ『どうやって改革したらいいか?』って具体的な案はみんなバラバラなんだから経営者のことを無能だと言えるようなシッカリした意見ってホントに少ないって思う。


特に一般人の感想レベルってのがとても多い。

例えば『最近はマックに行かないモスに行く、値段も味も中途半端だから客が減ったのでは??』といった意見です。でも実際には味も値段もそれほどかわっていないと思うのですが業績絶好調の時期がありました。

またこんなのもありました。『原田独裁体制で幹部が次々に辞めていった(そして他で成功している)』・・・他で成功していることは良いことだと思います。おそらく優秀だったのでしょう。ただ経営に関しては『船頭多くして船山に登る』だと思います。例えば大企業でもソニーのように部門が多岐にわたるのならそれぞれにリーダーが必要でしょうが、マクドナルドは言っても『ハンバーガーチェーン』という単一事業です。経営として独裁くらいの方が向いていると僕は思います。もちろん『その下で働きたいか』は別ですが・・。

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次にみなさんに考えてもらいたい視点はこれです。

『巨大フランチャイズでメニュー1つを決めるが普通の店とどれだけ違うか?』

です。なかなか想像することはないと思います。例えば10店舗ほどのチェーンなら新しいメニューに[◯◯地鶏]を使おうと思ったらスグにできます。でも巨大FCの場合は違います。必要なチキンをどうやって確保するのか?安定供給はできるのか?生産者が複数なら品質の違いをどうするのか?・・・などの課題が出てきます。

なのでマクドナルドの改革案として『個性的なメニュー』を考えている人はその視点が抜けていたりします。


後半につづく。