伍流の思考

- ごりゅうのしこう -

21世紀に必要なスキルは何か(前編)

難しいことは分からないがボクなりに『21世紀に必要なスキルは何か』を考えてみた。


*現状認識『基本スキルが変化していく様子』

20世紀に言われていた基本スキルは『読み・書き・算盤(そろばん)』だった。たぶんその後は『算盤』が『パソコン』になり、インターネットが広く使われるようになって『情報を得ること』のハードルがドンドン下がってきた。また『情報を発信すること』も簡単になり『嘘や偏りのある膨大な情報で溢れてきた』そこで『情報を収集すること』よりも『その情報を分析する能力』がより大事になってきたように思う。

『情報の広がり』と連動するように『世界の情報』が入ってくるようになり、『日本の閉塞感』と相まって『英語を習得して海外に進出する企業や人』が増えていった。進出や留学先も『アメリカ』を中心とした欧米諸国一辺倒から、中国・タイなどの東南アジア、また中東やアフリカなど少しずつ多様化していっているように思う。

 



*専門スキルの『栄枯盛衰』

昔はチラシを作る時に『写植屋さん』というのがいたらしい。それは文字をキレイに並べる"専門職"だったのだがパソコンでできるようになり写植の仕事は消滅した。またボクが30代前半に関わっていたWEBデザインの仕事も『バイト感覚で安く請け負う主婦』・『東南アジアで請け負うオフショア開発』更には『スキルなしでもブログやサイトが作れてしまうサービス(JimdoやWixなど)』によって並のスキルではまともに稼げないようになってきている。そのためマーケティングやデザイン力・企画力などの付加価値が必要になっている。・・・プログラムはどうだろう。実際にインドやフィリピンなどでも優秀なIT技術者がどんどん排出されていると聞く。

そう考えるとスキルや資格は色々あるが『それでどれだけ稼げるか?』という軸とは別に『それが何年くらい活かせるのか?』というのが問題になってくる。『イケてないスキル』は・・・数年先には消えてなくなってしまうリスクの高いスキルだろうと思う。資格やスキルの勉強をする時に『これは外国人またはロボットに出来るだろうか?』といった視点が必要かも。


『事務系のスキル』・・・便利なネットサービスなどに置き換えられる。中国などにアウトソーシングされていく。会計など経営上の知識としては必要だが『作業としての会計業務』はドンドンと減っていく可能性がある。

『医療系のスキル』・・・医者・看護師などの需要は『高齢化していく日本社会』においては減る要素より増える要素が大きい。フィリピンなど東南アジアから看護師などに来てもらうという動きもあるが『言葉の壁』・『業界の反対』などもあって、簡単には進んでいないし、今後も似た傾向が続くものと思う。それに薬剤師を加え『資格で食える数少ない業種』だと思う。ただし『歯科医』は過多で過当競争に陥っている。また歯科の分野に関しては『画期的な虫歯治療法(または予防法)』などで『需要が収縮するという潜在的なリスクを抱えている』ように思う。

『プログラム系のスキル』・・・『言語を介さない部分』が多いほど『東南アジアに仕事が流れる可能性が高い』が、まだ日本独自のことが分からないとできない部分も多い。『開発言語』も流行りみたいなものがあり『それを意識し、勉強する必要がある』 プログラムは『論理的な思考を鍛える』とか『プログラマーに発注する時に基本を知っておいた方がいい』ということはあるが、個人的には『自分で勉強しなくても出来る人とつながり安く発注できる人』になった方がいいと思う。

 しかし専門職としてのスキルの『需要と供給』は変化するものの『その道のプロ』と言われるレベルになると話は別。でも逆にいえば『衰退するスキル』においては『スキル習得の費用対効果は低い』と言わざるえない。



*よく言われる21世紀『重要スキル』

 ここでは専門的なモノではなく『基礎教養として重要なスキル』を考えてみる。いろいろ調べた中で多かった意見は『英語』・『プログラム(前述)』・『金融』の3つ。1つずつみてみよう。ちなみに個人的には『上手に目立つ力(情報発信力)』かなと思う(後述します)

『英語系のスキル』・・・海外に出て行く人には重要な基本スキル。海外に進出する企業が増えているので重要度は増しているとは思うが、実際に『英語が多くの人に必要か?』といわれると『そうでもない』と思う。『英語の重要性』を声高に叫んでいる人の多くは『ポジショントーク』だと思う。そんなワケで『英語は必要な人と、必要のない人』の両方がいると思う。また『英語ができれば何とかなる』というのも少し違う。今のところ日本人で英語ができれば海外で働くことは可能だが、それは日本語ができる現地人に少しずつ侵食される可能性が高いからだ。日本人が『英語を勉強するハードルが下がっている』のと同様に『外国人が日本語を勉強するハードルも下がっている』・・・仮に『英語が上手なら食べていける』という前提が正しいなら『英語が上手なフィリピン人が低賃金で甘んじている』ということに矛盾が生じる。


『金融・経済系のスキル』・・・金融に弱いと『一生懸命に稼いだ財産』を大きく目減りさせてしまったり、借金を抱えたりするリスクが高くなる。『財テクに強くなる』という方向よりは『まず本業でシッカリ稼げるようになる方が大事』だとは思うが、あるていど資産がある場合はサラリーマンとしての収入より財テクの利益の方が大きくなったりする。(ボクはまだそこまで行ってないが) ・・・そんなワケで金融リテラシーは『守りの為に必要』だと思う。また『金融や経済に強くなる為』にファイナンシャルプランナー(以下:FP)などの資格を取得する人がいるが、基本知識として習得するのであれば『経済に分かりやすく書かれている本』を複数読んだ方がいい。FPは一般的に言われていることを網羅しているが『知識の無駄が多い』また『一般的に言われている事が正しいとは限らない』・・・例えばFPにおいて『生命保険』は『必要だという前提で書かれている』が、『生命保険が不要(もしくは一部でいい)と考える専門家も多い』また投資分野においても『広く浅く知る』ことよりも『1つの分野(例えば不動産、株式投資)で上手に運用できる』という方がずっと強い。『守りとして学ぶ経済知識』という観点で見れば『節約術』などの知恵なども取り入れていけばいいと思う。もちろん『人生設計においてのマネープラン』で言うなら『稼ぎ・投資・節約』の全てに得意である必要はない。稼ぐのが得意であれば少々の節約など無意味。

それらのスキル・・・大切かもしれないが『やはり情報発信力』がますます重要になってくると思う。

(後半へ続く)